高橋 誠一
イスラム学研究者
大学でイスラム学を専攻し、カイロ・イスタンブールへの留学経験を持つ。コーランのアラビア語原典を参照しながら、教義体系を平易な日本語で解説します。
イスラム学専攻。カイロ・イスタンブール留学経験あり。宗教学の教育・執筆に従事。
高橋 誠一の記事 (5)
イスラム教への改宗|手順と生活の変化
イスラム教への改宗とは、シャハーダと呼ばれる信仰告白を唱え、アッラーのほかに神はなくムハンマドはその使徒であると認めることです。筆者がカイロやイスタンブールでモスクの改宗の場に立ち会ったときも、その核心は拍子抜けするほど簡素で、洗礼や入会金、特別な儀式は必要ありませんでした。
イスラムの天使ジブリール|ガブリエルとは
ジブリールとは、アラビア語で預言者ムハンマドに啓示を伝えた天使であり、キリスト教でガブリエルと呼ばれる存在と同一です。ヘブライ語起源の名を持つガブリエルと、アラビア語のジブリールがつながると分かるだけで、受胎告知の天使とコーランの伝達者がひとつの姿として見えてきます。
運命論カダルとは|イスラムの予定説を解説
カダル(定命)とは、ムスリムが信じる六信の六番目に置かれる信仰で、世界のすべてがアッラーの知と意志のもとにあると受けとめる考え方です。カイロで六信を学んだ際、神・天使・啓典まではすんなり理解できても、最後の定命だけが抽象的で腑に落ちないという議論は珍しくありませんでした。
イスラムのイーサー(イエス)とは|預言者の位置づけ
イーサーとは、イスラム教でイエスを指すアラビア語名であり、コーランに25回登場する尊い預言者です。大学でイスラム学を学ぶ中で「イーサー・イブン・マルヤム(マルヤムの子)」という呼称に初めて触れたとき、キリスト教の「神の子イエス」とは別系統の人物像が立ち上がってくる感覚を覚えました。
イスラムの天国と地獄|ジャンナとジャハンナム
イスラム教の死後観は、現世ドゥンヤーを来世アーヒラの準備とみなし、死の先に復活と最後の審判がある宗教です。カイロ留学中に現地のムスリムが日常会話で自然に「来世」を口にしていたのを聞くと、天国ジャンナや地獄ジャハンナムは遠い空想ではなく、生活の延長として受け止められているのがよくわかりました。