高橋 誠一

イスラム学研究者

大学でイスラム学を専攻し、カイロ・イスタンブールへの留学経験を持つ。コーランのアラビア語原典を参照しながら、教義体系を平易な日本語で解説します。

基礎知識コーラン解説信仰と実践

イスラム学専攻。カイロ・イスタンブール留学経験あり。宗教学の教育・執筆に従事。

高橋 誠一の記事 (5)

コーラン解説

筆者が最初にコーランを通読したとき、冒頭の開端章の次に最長の雌牛章が置かれているのを見て、これは啓示の順番どおりに並んだ書物ではないのだと直感しました。114章から成るクルアーンは、第1章を特例として、その後はおおむね長い章から短い章へ配列されており、

コラム

コーランの日本語訳を選ぶときは、岩波の井筒俊彦訳、中公の藤本勝次・伴康哉・池田修訳、日亜対訳注解 聖クルアーンの三田了一訳を、文体・原文への忠実性・注解の厚み・原文併記の有無で見比べると迷いが減ります。

基礎知識

ハディースとは、預言者ムハンマドの言葉・行為・黙認を伝える伝承の総称で、本文であるマトン(内容)と、誰から誰へ伝わったかを示すイスナード(伝承経路)から成ります。コーランが神の啓示とされる聖典であるのに対し、ハディースはそれを補足しつつ、預言者の範例であるスンナを具体的に伝える文献層です。

基礎知識

クルアーンを通読して関連するアーヤを縦に追っていくと、天使(マラーイカ)は単なる超自然的存在の一覧ではなく、啓示を預言者へ運ぶ働きから、人の死、バルザフ(死後の中間状態)、角笛、復活、審判へと連なる一つの世界像の中で立ち上がってきます。

基礎知識

イスラム教で豚肉が禁じられる第一の理由は、豚が不潔だからでも健康に悪いからでもなく、コーランに明文でそう定められているからです。筆者が雌牛章 2:173、食卓章 5:3、家畜章 6:145、蜜蜂章 16:115を並べて読むと、「死肉・血・豚肉・神以外に献げられたもの」という並列が繰り返し現れ、