最新記事

歴史・文明

イスラム哲学はギリシア哲学を翻訳・発展させた知的伝統です。イブン・シーナー(アヴィセンナ)やイブン・ルシュド(アヴェロエス)ら代表的思想家の業績と、イスラム哲学がヨーロッパのスコラ学に与えた影響をわかりやすく解説します。

基礎知識

ルーミーの詩に惹かれたり、トルコでメヴレヴィーの旋回舞踊(セマー)を見てみたいと思ったりしたとき、まず押さえたいのは、スーフィズム(タサウウフ)が「踊る集団」でも「イスラム教の別宗派」でもないという点です。

歴史・文明

東京・代々木上原の東京ジャーミイを見学すると、礼拝のための静かな空間でありながら、地域の見学者が建築や文化に引かれて自然に出入りしている光景に出会います。日本とイスラムの関係は、こうした「遠い宗教」ではなく「街の中で交わる文化」として見えてくるもので、本格的な接点は幕末から明治以降に始まり、

文化・暮らし

取材で各地のモスクを訪ねるたび、礼拝空間に満ちる静けさは共通しているのに、求められる服装や撮影のルールには土地ごとの違いがあることに気づかされました。イスラム文化は単一の「中東文化」ではなく、神への帰依という共通原則の上に、服装、食、言語の地域差が折り重なる、約19億〜20億人規模の広大な文化圏です。

文化・暮らし

イスラム教の祝日は、西暦で日付が固定されません。ヒジュラ暦が12か月・約354日の太陰暦なので、祝祭日は毎年およそ11日ずつ早まり、日本のモスクでイード礼拝が掲示板やSNSで複数回告知される光景も、そんな暦の動きと実際の運用が重なった結果です。

文化・暮らし

取材で在日ムスリムの方々に初対面の挨拶を尋ねると、いちばん安心できるのは「会釈と言葉の挨拶」という答えが目立ちました。日本でムスリムの同僚や取引先、友人と接する場面では、相手への敬意を示すアダブの感覚を押さえつつ、まずは非接触で自然に始めるのが外しにくい一歩です。

基礎知識

イスラム金融は、しばしば「無利子銀行」とひとことで片づけられますが、実際には売買益、賃料、利益分配、共同出資を組み合わせて成り立つ、ひとつの独自な金融体系です。筆者が住宅共同所有のディミニッシング・ムシャーラカ(逓減ムシャーラカ)の契約書を読んだときも、

基礎知識

イスラム教の入門でつまずきやすいのは、教義そのものより先に基本語の輪郭が曖昧なまま増えていくことです。たとえばタウヒードは神の唯一性、シャハーダは信仰告白、サラートは礼拝、キブラは礼拝方向、ハッジは大巡礼を指します。

文化・暮らし

イスラム教の本選びは、最初の1冊よりも「どの順番で読むか」で理解の深さが変わります。筆者も在日ムスリムの取材や中東各地でのルポの前後に、入門書と原典の和訳を並行して読み、いきなりクルアーンに向かうより、土台をつくってから進んだほうが誤読が減ると何度も感じてきました。

コラム

イスラム教について耳にする言葉は多いのに、その中身は「暴力」「女性」「中東」といった断片的なイメージで語られがちです。取材で東京ジャーミイの見学ツアーに同行したときも、参加者の「アッラーは別の神ですか」という問いに、案内役が「アラビア語で神という意味です」と静かに答えた瞬間、

文化・暮らし

日本でハラール対応の店を探すとき、いちばん混乱しやすいのは「認証があるかどうか」だけでは判断しきれないことです。認証店、ムスリムフレンドリー店、ポークフリー表示の一般店では確認できる範囲が違い、実際の安心感も変わります。

文化・暮らし

国内のモスクでジャナーザ、つまり葬礼の場に立つと、参列者は立ったまま静かに祈り、礼拝は驚くほど簡素に進み、その後まもなく故人が運ばれていきました。イスラム教の葬送は、グスルと呼ばれる遺体の洗浄を行い、白布のカファンで包み、ジャナーザ礼拝を経て、できるだけ速やかに土葬するのが基本です。