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文化・暮らし

コンビニでラムネ菓子を手に取ったとき、原材料欄の「ゼラチン」「乳化剤」に目が止まり、由来が書かれていないだけで判断が止まることがあります。社員食堂でも「ポークフリー」と書いてあれば安心だと思いかけて、実際には調味料や下処理まで見ないと何も言えないと痛感しました。

基礎知識

イスラム教で豚肉が禁じられる第一の理由は、豚が不潔だからでも健康に悪いからでもなく、コーランに明文でそう定められているからです。筆者が雌牛章 2:173、食卓章 5:3、家畜章 6:145、蜜蜂章 16:115を並べて読むと、「死肉・血・豚肉・神以外に献げられたもの」という並列が繰り返し現れ、

信仰と実践

ラマダンは「断食の名前」ではなく、イスラム暦第9月を指す月名です。この月に行われる断食がサウム(斎戒)であり、暁から日没まで水を含む飲食を慎む一方、病気や旅行、妊娠・授乳、高齢、月経などには免除があり、その後の対応も後日補うカダーと、恒常的な困難に対するフィドヤとで区別して考える必要があります。

文化・暮らし

イスタンブールの街角で見た淡いシルクのスカーフと、ジャカルタの通勤電車で見た機能素材の鮮やかな巻き方は、どちらも同じ「ヒジャブ」と呼ばれていました。けれど、その言葉をただ「頭を覆う布」と受け取るだけでは、聖典の語義も、法学上の議論も、地域ごとの衣装文化も、現代社会で起きている規制や選択の現実も見えてきません。

信仰と実践

大学の講義で五行を板書するとき、筆者はまず「義務的喜捨=ザカート(zakāt/زكاة)」と一言で示します。ザカートはイスラム教の五行の第三に位置づく宗教的義務であり、任意の慈善であるサダカ(ṣadaqa/صدقة)とは別に整えられた、制度的な再分配の仕組みとして理解するのが出発点です。

文化・暮らし

ニカー(婚姻契約)の核にあるのは、当事者の同意、条件の合意、証人、マフル、そして多くの法学派で論じられるワリーです。筆者が日本各地のモスクを歩いてまず印象に残ったのは、「先に役所で民事婚を済ませる」という運用がどこでも一貫していた一方で、

歴史・文明

欧州の科学史博物館でイスラム世界製作のアストロラーベを前にすると、黄金時代という言葉が抽象的な称号ではなく、器具や書物のかたちで中世ヨーロッパに残った現実だったと実感します。

文化・暮らし

モスクの丸屋根や尖塔だけを眺めていると、イスラム建築の面白さは半分も見えてきません。礼拝の方向を定める装置としての空間、宮殿やマドラサ、市場や浴場まで含む都市の骨格、そして壁面を埋める数学的な装飾の秩序までつなげて見ると、この建築は約1300年以上にわたる文明の思考そのものとして立ち上がります。

歴史・文明

イスタンブルのトプカプ宮殿でオスマン帝国のフェルマン写本を前にしたとき、流麗なトゥグラの下に並ぶ命令文から見えたのは、征服王朝というより、多民族と多宗教を束ねる統治の技術でした。コルドバの大モスクに残る増改築の継ぎ目を見上げたときも、建築そのものが、支配の交代と共同体の重なりを静かに語っていました。

文化・暮らし

博物館の展示室でコーラン写本に向き合うと、筆者はまず文字そのものの張りつめた美しさと余白の均衡に目を奪われ、そのあと視線が縁取りの植物文様へするすると滑っていきます。

歴史・文明

エジプトで買い物をすると、アラビア語のレシートに٠١٢٣٤٥٦٧٨٩が並んでいるのに気づきます。一方で、モロッコなど北アフリカ(マグリブ)では西アラビア数字(0123456789)が広く用いられることが多く、同じ都市内でも文脈によって字形が切り替わる場面が見られます。

歴史・文明

十字軍は1095年から約200年にわたりヨーロッパからイスラム世界へ派遣された軍事遠征です。なぜ始まり、何が起き、中東やヨーロッパにどんな影響を残したのか。全8回の遠征を時系列で整理し、背景・経過・歴史的意義を解説します。